皆様にお届けしているお茶は、衛生的な茶工場で行われています。茶園ですくすく育ったお茶を摘み取って、すぐに茶工場に運び、煎茶(荒茶:仕上げをしていないお茶)に加工します。皆様にお届けする、一番茶(新茶)の製造は4月下旬から5月10日頃まで、次のような行程でお茶の新芽をお茶の葉にしています。
現在当店の工場では最新式の機械でお茶を製造しています。コンピュータ管理によって、品質が一定のお茶を製造しています。コンピュータ管理ですが、最終的には人間の経験と感覚で作業をしています。その日の気温、湿度によって微妙な調整をして最高の品質のお茶を製造しています。
1.お茶の葉の摘み取り

茶園で育ったお茶の新芽は、自動の乗用茶摘み機できれいに刈り取られます。上級の煎茶は、手で摘み取りますが、一般的なお茶は機械で能率良く摘み取りが行われます。手で摘み取っていた頃は、茶摘みは重労働でしたが、乗用茶摘み機が普及してからは、茶摘みの作業が楽になりました。
2.お茶の葉を茶工場に搬入する

茶園で摘み取られたお茶の葉(生葉)は、茶工場に集められます。お茶の葉摘み取られるとすぐに酸化酵素の働きで発酵が始まります。その発酵を止めるために、茶園から持ってきたお茶の葉は、生葉コンテナ(下から冷風を吹き込んで温度を下げる装置)に入れられます。生葉コンテナに入れると、約半日程度は生葉を保存しておくことが出来ます。
3.生葉を蒸す

生葉コンテナに貯蔵されていたお茶の葉は、左のような蒸し機で蒸すことで、酸化酵素の働きを止めます。原理としては、家庭にある蒸し器(せいろ蒸し)と同じです。高温の蒸気でお茶の葉を蒸します。このお茶の葉を蒸す時間が長いと、「深蒸し茶」になります。通常のお茶は20〜40秒蒸しますが、深蒸し茶は60〜90秒蒸します。長時間蒸すことで、お茶の甘みを引き出すことが出来ます。しかし、蒸す時間が長いため、お茶の葉の芯まで蒸されて、形が崩れやすく粉が多いお茶になってしまいます。
■水分量約80%
■行程時間 普通煎茶約20〜40秒 深蒸し煎茶約60〜90秒
4.粗柔機

蒸し機から出た生葉は、粗柔機に入れられます。粗柔機は生葉に熱風をあてながらかくはんします。蒸気で蒸されたばかりなので、水分が多い生葉の水分を少しずつ飛ばしていきます。
■水分量約50%
■行程時間約40分
5.柔捻機

粗柔機である程度水分を蒸し機から出た生葉は、柔捻機と呼ばれる、お茶の葉を揉む機械に入れられます。感じとしては、粘土を手でこねるような感じです。お茶の葉にヨリを入れるようにして、揉まれています。
■水分量約50%
■行程時間約20分
6.中柔機

柔捻機で揉まれた葉っぱを、中柔機に入れて、熱風をあてながら、お茶の形を作っています。ドラムが回転して、お茶の葉を細長くしています。
■水分量約25%
■行程時間約40分
7.精柔機

中捻機で水分とある程度細長くなった生葉を精柔機に入れます。これは、両手の手のひらで、粘土を細くするような感じで、お茶の葉を細くよっていきます。下からはバーナーで熱していて、水分も飛ばしていきます。ここの精柔機の加減がお茶の形を作る上で重要になってきます。
■水分量約12%
■行程時間約40分
8.乾燥機

最終的な乾燥をするのが乾燥機です。コンペアーに乗せられたお茶に熱風を当てて、お茶を乾燥させます。最終的に約5%程度まで乾燥させます。ここで十分乾燥をさせておかないと、お茶を保存しておく間にいたんでしまいます。
十分に乾燥させたお茶は、30キロ入れの段ボールに詰められ、真空包装され、冷蔵庫に入れて保存されます。
■水分量約5%
■行程時間約20分
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