現在、デンマークのコペンハーゲンで地球温暖化について話し合いをしています。毎日ニュースで取り上げられていますが、各国の利害が対立してまとまりそうもありません。また、先日のNHKクローズアップ現代で「くだもの異変!?」と題して、身近な果物が温暖化によって異変を起こしているというのをやっていました。気温が上昇することで、果物の成長が変化して、収穫時期が早まっているということです。
同じ事がお茶でも起こっています。数年前までは、お茶の摘み取りの最盛時期は5月2日の八十八夜頃でした。でも、ここ数年の暖冬や春先の暖かさの影響で、約一週間早くなっています。静岡県でも、南部の早場所では4月のうちに摘み取りが終わるようになってしまいました。当店があります牧之原台地でも、ゴールデンウィークが終わる頃には、摘み取りが終わるようになりました。早く摘み取りが出来れば、それに越したことはないと思われるかもしれません。でも、早く新芽が出るということは、冬場の寒さが足りずに、お茶の樹がゆっくり休んでいないことになります。また、夏場の暑さはお茶樹を弱める事にもなります。
お茶の樹は、暖かい地方でも生育出来るのですが、生育出来るのとおいしいお茶を生産出来るのとは違っています。寒暖の差が激しく、水はけのいい土地でお茶は発展してきました。今後、このまま温暖化が進んで、猛暑と暖冬が続くようになりますと、おいしいお茶の生産が出来なくなってしまいます。おいしいお茶や、旬の野菜や果物を楽しむためにも、地球温暖化について真剣に考える時期に来ていることだけは確かだと思います。
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