水中写真入門

●カメラの撮影モードと露出の関係

●カメラのオート撮影とマニュアル撮影

現在のカメラにはほとんどすべての機種には、オート露出制御機能(AE機能)が備わっています。特に、ハウジングに入れる一眼レフには高度なAE機能が備わっています。水中写真でもAE機能は働きますので、手軽にきれいな写真を撮りたいときにはAE機能が強い味方になってくれます。

●カメラの撮影モード

AEモード1.プログラムオート(Pモード)

被写体の明るさによって、カメラが絞りシャッースピードを最適な組み合わせで選んでくれるモードです。陸上で十分な明るいところでの撮影には適していますが、水中の暗い場所のストロボ撮影をする所では、絞りがレンズの解放値になってしまうことが多くなります。従って水中写真を撮影するには向いていません。

2.絞り優先オート(Av、Aモード)

カメラマンが絞りの値を設定する事により、カメラが被写体の明るさに応じて適正露出が得られるようにシャッタースピードを選んでくれるモードです。絞りの値をカメラマンが選択出来るので、ピントのページで説明したように被写界深度を生かした撮影が出来ます。また、後で説明をしますが、ストロボをマニュアル発光させた場合には、被写体までの距離によって絞りを選択しなくてはいけないので、絞りを自由に設定出来る絞り優先オートは便利なモードと言えるでしょう。

3.シャッタースピード優先オート(Tv、Sモード)

カメラマンがシャッタースピードの値を設定する事により、カメラが被写体の明るさに応じて適正露出が得られるように絞りを選んでくれるモードです。絞り優先オートとまったく逆のモードです。水中写真では、ストロボ撮影が主になるので、ほとんど使用しないモードです。ただ、自然光でイルカなどの動きの早い被写体の撮影をする時には向いています。

4.マニュアル撮影(Mモード)

カメラが自動的に適正露出になるように絞りシャッタースピードの組み合わせを選んでくれるオート露出制御機能とは違い、カメラマンが任意で絞りとシャッタースピードを選択するのがマニュアル撮影です。任意で選択をするといっても、ストロボをマニュアル発光させた場合は、カメラの絞りの値は被写体までの距離で決まります。絞りの値が決まれば、後はカメラ内蔵の露出計によってシャッースピードをあわせます。


●ストロボの調光方式

●TTL自動調光による撮影

ストロボ水中ハウジングに入れる一眼レフとニコノスと水中ストロボの組み合わせには、TTL自動調光システムが組み込まれています。TTL(Througt the lens)とはストロボから発せられた光が被写体に当たって反射され、それがレンズを通ってフィルム面に露光する時に、適正露出になった時点でストロボの発光を止めるシステムの事です。実際に被写体に当たった光の量を計っているので、正確な露出を求めることが出来ます。マクロ写真では、ストロボの発光が主光源になるために有益に使うことが出来ます。しかし、ワイド写真の場合は、被写体の大きさが小さかったり、バックの海が暗い場合が多いのでTTL自動調光ではうまく撮影できない場合の方が多いです。ワイド写真の場合は次に説明する、マニュアル発光で適正露出を求めた方が確実です。

●TTL自動調光による撮影の注意点

TTL自動調光によるストロボの制御は一定の色を基準にしてあります。そのため、極端に白い色とか、黒い色の場合補正が必要になります。白い砂地のハゼを写す場合は、プラス補正が必要で、黒っぽい被写体の場合はマイナス補正が必要です。また、TTLの場合はレンズの絞りは下のマニュアル露出表の適正絞りより開けなくてはいけません。たとえば、ISO100のフィルムも使って1mの距離で撮影する場合には、絞りはf11より開けなくてはいけません。絞りすぎるとストロボがFULL発光しても光量が足りなくなりアンダー(暗い)写真になってしまいます。

●TTL自動調光とカメラの撮影モードの関係

TTL自動調光というのはストロボ単体の設定です。そのため、カメラの撮影モードのマニュアルモードでもTTL自動調光は可能です。カメラマンがマニュアルモードで、絞りとシャッタースピードを任意に決めても、ストロボの設定をTTLにすれば、ストロボは適正露出になるように発光をします。また、逆のカメラの撮影モードを絞り優先モードにして、ストロボをマニュアル発光にする事も出来ます。この場合、カメラの絞りは、下記の絞りと被写体までの距離の表に合わせた絞りの値を設定しなくはいけません。

●マニュアルでのストロボ撮影

ストロボ マニュアル発光とは、ストロボの発光を一定の光量で発光させて、それにあった露出をカメラで設定をして適正露出を得る方法です。ストロボにはガイドナンバー(GN)というモノがあります。水中ストロボのSB−105はGN22(Full発光)です。これはISO100のフィルムで1メールとの距離で撮影した場合、カメラの絞りをf22にした場合適正露出が得られるという数字です。しかし、このガイドナンバーは陸上でのモノで水中の場合は透明度にもよりますが、陸上の1/2〜1/3になります。左の表は水中での被写体までの距離と、カメラの絞りを表したモノです。表をみると、陸上の半分の値になっています。ISO100のフィルムで1mの時のカメラの絞りのはf11になっています。(陸上ならf22)

●ストロボ発光と露出の関係

水中写真ではストロボ発光での撮影が大部分だと思います。マニュアルでのストロボ発光の露出は、カメラの絞りのみで決定されます。シャッタースピードは関係ありません。シャッタースピードが露出に関係するには、自然光の露出です。まとめると次のようになります。
ストロボ光の露出→カメラの絞りによって決まる
自然光の露出→カメラの絞りとシャッタースピードによって決まる

●マニュアル発光でのストロボ撮影の注意点

右の表はマニュアル発光での距離と絞りの関係を表した表です。この表は一般的な水中での絞りを表しています。しかし、撮影する環境によって多少違ってきます。一番いい方法は、実際に水中で距離とストロボのマニュアル光量とカメラの絞りを替えて撮影してデータを取ることです。このデータをハウジングに貼っておくことで、自分のデータを持つことが出来ます。

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