水中写真入門

●水中でのピントの合わせ方

●ニコノスなどの目測式の場合 ピント範囲

ニコノスなどの目測式のカメラは、被写体までの距離を見た目で計って、レンズの距離目盛を合わせなくてはいけません。前回の水中でのモノの見え方のページで詳しく書きましたが、水中ではすべてのモノが4/3(1.33)倍大きく見えて、距離も4/3(1.33)倍近く見えます。
ニコノスのピント合わせは、水中で見た目が1mならレンズの距離目盛を1mに合わせます。見た目が1mということは、実際の距離は1.33mなのですが、ダイバーの目もカメラの目も水中での光の屈折を同じように受けているので、見た目の距離でレンズの距離も合わせます。

●ハウジングに入れた一眼レフの場合

ハウジングに入れた一眼レフは、レンズを通して見たものそのものがファインダーで確認出来るのが特徴です。そのため、ファインダーを見ながらピント合わせが出来ます。現在のほとんどのカメラは、オートフォーカス(AF)マニュアルフォーカス(MF)の両方の方式でピント合わせが出来ます。


●カメラ別ピントの合わせ方
●ニコノス

ニコノスは目測式なので、被写体を見てからそれに合わせてレンズの距離を合わせなくてはいけません。でも、この方法だとシャッターチャンスを逃してしまいます。そこで、最初に常用する距離に合わせておき、被写体との距離が合わせた距離と同じになるようになった時にシャッターを押すようにします。その時注意しなくてはいけないのは、ニコノスは小さいので両手でしっかりとホールドすることなくシャッターを押すことが多い傾向があります。そうするとピントの甘さよりも、ブレの方が起きてしまいます。小さいからといってもしっかりとホールドして撮影をしましょう。また、ピントの合う範囲は、広角レンズになるほど広くなり、絞りを絞るほど広くなります。「ニコノスには15mmレンズが最適だ」というのは、レンズの画角が広い事もありますが、ピントの合う範囲が広いので一番使いやすいレンズだということもあります。

●ワイド撮影

ワイド撮影に使用するフィッシュアイレンズや20mmレンズは、オートフォーカスで(AF)でも十分にピントが合います。現在のカメラのAFの性能は良いので、少し暗くても大丈夫です。それに、ワイド系のレンズはピントの合う範囲が広いので、AFでも十分対応できます。また、動き回る魚を撮影する時もAFは便利です。ただ、透明度が悪かったり、魚との距離が離れているとAFが迷うときがあります。AFで撮影をしてみて、納得がいかない時はマニュアルフォーカスも試してみましょう。

●マクロ撮影

マクロ撮影に使用する100mmマクロレンズ、50mmマクロレンズは、ピントの合う範囲が狭いし、合わせる距離が長いので、AFで撮影をすると時間がかかってしまいます。マクロ撮影はMFの方が適しているでしょう。それに、被写体となる魚は動かない(動きの遅い)魚が多いので、じっくりとピントを合わせる事が可能です。ピント合わせを確実にするために、フォーカスノブの動きを陸上で動かしてみて、慣れておきましょう。また、水中特にマクロ撮影をする場所は一般的に暗いので、ターゲットライトを使った方が楽にピント合わせが出来ます。


●被写界深度

被写界深度オートフォーカス(AF)、マニュアルフォーカス(MF)のどちらでピントを合わせても、ピントの合う範囲は一点ではありません。このピントの合う範囲を被写界深度と言います。合う範囲が広い場合を「被写界深度が深い」といい、狭い場合を「被写界深度が浅い」と言います。

  1.  被写界深度は、被写体の前側に浅く、後ろ側に深くなっています。
  2.  広角レンズほど被写界深度は深く、マクロレンズほど狭くなっています。
  3.  絞りを絞り込むほど被写界深度は深く、絞りを開けるほど浅くなります。

シャープなピントの合った写真を撮影したかったら、広角レンズで絞りを絞り込んで撮影をすれば良いことになります。しかし、絞りを絞り込めば適正な露出を得るためには、それだけシャッタースピードが遅くなってしまいます。そのあたりの関係は次回の「露出」のページで詳しく説明をします。

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