3月11日の東日本大震災によって福島第一原子力発電所事故が起こりました。この事故によって、大量の放射性物質が放出され、原発周辺を始め各地で放射線の汚染が起こってしまいました。福島原発から約500キロ離れた静岡でも、静岡市内の一部で規制値を超す放射性物質が検出され、それがテレビや新聞などに大きく取り上げられました。今回規制値を超したところは、静岡茶の産地としてはごく一部のところですが、メディアの取り上げ方がセンセーショナルだったため、全国の人々に静岡茶に対して、安全性への不安をかき立ててしまったようです。その後、静岡県や各産地の組合では独自で放射性物質の検査をしてきました。そのすべてが基準値以下の安全なレベルに収まっています。でも、一度テレビや新聞で取り上げられますと、正しい情報をその後伝えてもなかなか受け入れられません。風評被害といえばそれまでですが、悪い噂はすぐに広がりますが、正しい正確な情報というのは、なかなか伝わっていかないように思います。
今まで静岡茶を含めて緑茶は、健康に良い飲み物ということでお客様にアピールして売ってきました。それが今回の原発事故で、一気にイメージダウンしてしまいました。これから、このイメージを良い方向に持って行くのは並大抵な事ではないと思いますし、時間もかかると思います。でも、静岡茶の長い歴史と文化を、今回のような事故で失わないためにも、業界が一丸となって、静岡茶の安全性をアピールしていくしかないと思っています。
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