民主党のマニフェストの中に、農家の個別所得保障をするというのがあります。これは、農家に一定以上の所得補償をして、日本農業を発展させようとするものです。稲作農家には、補償することが決まっているようですが、お茶農家に対してはまだはっきりしたことはわかっていないようです。
ただ、この農家の個別所得補償制度は問題もあるみたいです。先日、NHKクローズアップ現代を見ていましたら、今まで農地を貸していた零細農家が、貸していた農地の返還を求めていると言うことです。個別に所得を補償してくれるのであれば、自分の農地で稲を作った方が所得が多くなるという事のようです。今回の所得補償制度がお茶農家にも適用されますと、お米農家と同じように貸していた茶園の返還を求める農家が出てくるかもしれません。当店の周りでも、高齢化や後継者不足で、茶園の管理を大型農家に頼んでもらっている人が多くいます。茶園の集積化で効率よく運営してきた大型茶農家にとっては、死活問題になるかもしれません。さらに、所得が補償されるということは、生産されるお茶の品質に関わらず、お金が支払われることになり、静岡茶全体の品質低下を招くことにもなりかねません。今回の民主党の個別所得補償制度がやる気のある大型農家の意欲や収入を下げることなく、日本全体の農業の活性化になるように運営してもらいたいと思っています。
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