今週から二番茶の摘み取りが始まります。二番茶は、4月後半から摘み取られた一番茶(新茶)の次に摘み取られるお茶です。品質的には、一番茶より劣り、主に安い家庭用のお茶や会社や食堂などの業務用のお茶として使われてきました。でも、業務用のお茶は、今では会社でお茶を入れる習慣も無くなってしまいました。そのため、二番茶の使用目的はペット緑茶の原料として使われることが多くなってきました。
ペットボトルのお茶が出始めたときは、ペットボトル緑茶の普及がリーフ茶の市場を縮小させてしまうかという議論がありました。実際、ペットボトル緑茶が普及してきまして、リーフ茶を飲む人は少なくなってきました。しかし、ペットボトル緑茶を飲む人は若者を中心として、今までリーフ茶を飲んでいる層とは違っていました。リーフ茶市場が縮小したのは、今までリーフ茶を飲んでいた中高年層が飲まなくなってしまったということが大きいと思います。
今までペットボトルのお茶は右肩上がりで伸びてきました。でも、ここに来てその伸びが鈍化してきました。飲料全体の多様化が、緑茶ペットボトルの伸びを抑えてきたということです。今まで二番茶の価格を支えてきましたペットボトル緑茶の原料使用量が少なくなってきますと、二番茶の値段が安くなる可能性があります。リーフ茶需要が少なくなり、その上ペットボトル緑茶の需要まで少なくなりますと、ますますお茶農家の経営が苦しくなって来てしまいます。良いお茶を作り続けるためにも、お茶農家の経営健全化は欠かせません。難しい問題ですが、なんとか知恵を出し合って、茶業界全体の活性化を考えて行かなくてはいけない時期になったと思っています。
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