先日、「静岡茶」という名称が地域ブランドとして認証されました。以前から、組合では、静岡県内で生産された茶葉100%を使用したお茶だけに「静岡茶」という名称を付けるように決めてきました。これで、名実共に、「静岡茶」というブランドが確立したわけです。しかし、たんにブランドが出来ても、それに見合ったお茶を提供していかなければ、意味がありません。静岡は、東は富士山麓・富士市から西は浜松・天竜まで広い地域でお茶の生産をしています。それをすべてひとくくりにして「静岡茶」とするのはおおざっぱすぎるように感じます。
静岡茶というブランドを確立するは、鹿児島などの産地との差別化を図るためだと思います。今まで、お茶と言ったら静岡、というブランドに甘えて、静岡のお茶農家はあまり努力をしてこなかったように思います。それに比べて、鹿児島は新興ということもあって、静岡とは違ったアプローチをしてきました。その一例が、早生品種の導入です。静岡ではやぶ北品種が90%以上を占めますが、鹿児島は早生品種がたくさん植えられています。温暖な産地ということを生かして、静岡よりも早くお茶を生産することで差別化を図ったわけです。それに、乗用茶摘み機の導入も早く、コスト意識も静岡より進んでいると思います。「静岡茶」というブランドを確立したのは、静岡茶への危機感の表れかもしれません。これを機に、よりいっそうおいしいお茶が出来る仕組みが出来るといいと思っています。
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