茶業界にもトレイサビリティー(生産履歴)の流れが押し寄せています。僕に言わせれば、今ごろになって、履歴が問題になるとは思ってもいませんでした。いつ、どんな農薬や肥料をやったかを記入するのは当たり前だと思っていました。毎年、履歴を記入することによって、昨年と比べて今年の茶園状態が分かるし、それが分かることがいいお茶を造るためには必要な事だと思っていました。
会社をやっていれば、いつどこから、どんな商品を仕入れたのかを記入するのは当たり前の事です。販売をしたら、同じように帳面に記入します。同じ事を農家がやっていなかったというのが、不思議なぐらいです。それだけ、経営にたいしてどんぶり勘定だったのかもしれません。トレイサビリティー問題を通して、肥料や農薬の使った量を把握することで、コストを知ることになります。コストを知ると言うことは、コストを削減出来ると言うことです。コスト削減は、なるべく安い値段で商品を販売できることにつながると思います。
トレイサビリティーは、消費者へ食の安全を届けるばかりではなく、コスト意識を農家に知らせることによって、より安い商品を提供出来る環境をつくって行くのではないかと思っています。
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